マスク生活で気づいた!?自分の吐く息が臭い…原因は?

口臭

口臭の原因は様々ですが、抑制するポイントはまさに唾液です。体内の水分量が少ないと唾液の分泌する量も減ってしまうので、こまめに水分補給をすること、そして鼻呼吸を意識することで、生活に支障をきたすほどの口臭の発生にはつながらないはずです。

 それでも、自分のお口の中が気になる方は、虫歯や歯周病が悪さをしている場合があります。お口の中の専門家である、歯医者さんに行って相談することで、お口の健康が保たれます。ぜひ、気になる方はご相談ください。

1.口臭って何

口臭とは、周囲や自分自身が不快に思う吐く息のニオイを指します。ほとんどの口臭は食べかすや口の裏側の剥がれ落ちた組織などのたんぱく質が、口の中にいる細菌によって分解・発酵される過程で出るガス(揮発性の硫黄化合物)のニオイです。簡単に言うと、たんぱく質が腐敗した腐敗臭と言えます。口臭のもとのガスには次のような種類が主成分になっています。

上記の3種類のガスが混合したものが口臭の原因となる物質です。一つ一つのニオイでも想像しただけで、嫌な気持ちになりますが、それらが合わさるとより破壊力をもたらすというのは、想像に難くないと思います。

2.口臭の原因と種類

 口臭の原因の80%以上(※1)は、お口の中にあると言われています。そして、その多くが歯周病と舌の上の苔、舌苔(ぜったい)に起因していることが明らかになってきました。お口から出る不快なニオイのもとはVSCというガスですが、そのガスが増える要因によって口臭の種類を生理的口臭と病的口臭の2つに分類することができます。

①生理的口臭

 唾液は、お口にうるおいを与え、歯を守り雑菌の繁殖を抑えるなど様々な活躍をしています。お口の中の唾液量が減ることで、雑菌が増殖しやすい環境になってしまう為、口臭のレベルが上がります。つまり一般的に、一日の中でも、時間によって口臭の強さに変化がみられるということです。

一番口臭のレベルが強いのは、朝起きた時です。夜、睡眠時には唾液はほとんど分泌されないので、お口の中が一番乾燥しています。朝ご飯を食べることで唾液が分泌され、さらに歯を磨くことでお口の中の雑菌などをきれいにすることができます。だからこそ、朝ご飯を食べずに通学や通勤をする人は、お口の唾液量が少ないため、口臭が強くなってしまう傾向があるそうです。

 他にも、緊張時やストレスを強く感じると唾液量が減って、お口がカラカラに乾燥してしまうというのは、経験している方もいると思います。やはり、唾液量の減少に伴って、殺菌作用が弱くなるので、お口の中が臭くなってしまいます。

 水分補給でお口に潤いを与えたり、ガムなどを食べて唾液を促進することで予防することができます。ただ、水分を取って歯をよく磨いたとしても、口臭はゼロにはならないということは知っておいてくださいね。

②病的口臭

 病気の元があり、それが原因で発生している口臭を病的口臭と分類します。歯周病や舌の上の舌苔(ぜったい)、または全身の病気などが原因となって、お口のVSCのガスが発生している口臭です。

・舌苔

まず、VSCのガスが一番作られる箇所は舌の上です。舌の上はいろいろな味を感じるためのセンサーがあり、食べ物を移動できるように凸凹しています。そこに細菌や食べかす、お口の中の粘膜が蓄積すると、白く苔状のものが付着していきます。

食べることによって唾液が分泌されるので、きちんとよく噛んで食べる人は、基本的に問題になるほど舌の上は汚れません。しかし、病気などで流動食ばかりになってしまう人は、咀嚼によって分泌される唾液量が少なくなり、浄化作用が働かないため、舌の上が雑菌の温床となりどんどん汚れが蓄積されて強い口臭の元となってしまうことがあります。

・歯周病

 歯周病菌の多くが臭いニオイのガスを発生させる特性があります。そのため、歯周病の病状が進行すると同時に、口臭が強くなる方が多いです。他の病気とは異なり、痛みなどの自覚症状がなく悪化していくので、自覚するのが遅くなってしまう怖い病気の一つです。

・虫歯

 小さな虫歯が強いにおいは持つことはありませんが、虫歯が進行して穴が大きくなるとそこに食べかすや細菌の塊が溜まり、それらが発酵や腐敗をすることで嫌なにおいを発生させます。また、徐々に進行した結果、神経がバイ菌に感染し炎症を起こした果てには、強烈な臭いを発します。

・歯垢、歯石

 食べかすや磨き残しによってできた柔らかい細菌の塊が歯垢で、それらが固く固まって石のようになってしまったものが歯石です。歯石が多くつくようになると、細菌の塊が増えているということになるので、その量に比例して口臭も強くなってしまいます。

・ドライマウス

 様々な要因により唾液の分泌機能が働かず、お口が乾燥気味になってしまう病気です。それ自体の病気であったり、他の病気の症状や薬の副作用としてこの症状がでてきたりします。唾液量が少ないので、自浄作用が十分ではなくなり、結果として口臭が発生してしまいます。

 ストレスや、薬の副作用、糖尿病・腎臓病などが原因であることが多いようです。

・その他の病気

 口腔がんや鼻・喉などの炎症があると、口臭が症状として現れることがあります。その他にも、呼吸器系や消化器系の病気などで、口臭が発生することもあります。その時は、病気が治療され、回復に向かうにつれ口臭のレベルは下がっていきます。

4.口臭を予防するには

 水分をこまめにとり、規則正しい生活をすることがとても大切です。口臭を予防してくれる唾液をしっかり出すためにも、朝ご飯をきちんと噛んで取ることがとても重要です。

口臭の原因は様々ですが、抑制するポイントはまさに唾液です。体内の水分量が少ないと唾液の分泌する量も減ってしまうので、こまめに水分補給をすること、そして鼻呼吸を意識することで、生活に支障をきたすほどの口臭の発生にはつながらないはずです。

 それでも、自分のお口の中が気になる方は、虫歯や歯周病が悪さをしている場合があります。お口の中の専門家である、歯医者さんに行って相談することで、お口の健康が保たれます。ぜひ、気になる方はご相談ください。