咀しゃくとは歯で食べ物をかみくだき、飲み込みやすい大きさにし、唾液とよく混ぜあわせて消化吸収しやすくすることです。
よくかむことは、唾液の量を増やして消化を助けるほかに、肥満予防の効果や内臓、脳の働きを活発にする効果があるといわれています。
歯を抜けたままにしていたり、虫歯や歯周病で使えなくなっていたり、歯に合わない詰め物を使用したりしていると、かむ力が弱くなり、健康に悪い影響を及ぼすことがあります。日頃からきちんと歯の治療をして口の健康を保つことは、全身の健康にも良いことなのです。
☆さまざまな咀しゃくの効果として・・・
・食べ物をかみくだいて、消化を助ける。
・唾液の量を増やす。
よくかんでゆっくり食べると、唾液の出る量が増えます。唾液には歯についた食べかすを洗い流したり、口の中を中性にして再石灰化を行ったりするなど、歯に良い影響を与えます。また、疲れの元となる活性酸素という物質を消してしまう効果もあります。
・あごの筋肉を発達させる。
・脳の血のめぐりを良くして、頭痛を予防したり、集中力を高めたりする。
・肥満予防の効果がある。
よくかんでゆっくり食べると、血糖値が上がりやすくなります。血糖値は血液の中にあるブドウ糖の濃さのことで、血糖値が上がると満腹感を感じます。満腹感があれば食べ過ぎたりしませんので、食べる量がちょうどよくなります。
よく、かたい食べ物を食べましょうといわれます。では、かたい食べ物とは何でしょうか。東京歯科大学小児歯科学講座の研究チームが171品種の様々な食べ物のかたさを調べたところ、ほとんどの食べ物がやわらかいということがわかりました。やわらかい食べ物に囲まれている現代では、ゆっくり良くかんで食べることを意識する必要があるようですね。