子どもも大人も虫歯菌も!?みんな大好き甘~いお菓子と虫歯の関係

お菓子とハロウィン

 秋のイベントと言えば、子どもも大人も楽しめるハロウィン。私自身、子どもの頃に当時通っていた英会話教室のハロウィンイベントで「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ!)と声をかけてお菓子をおねだりしたひとりです。当時はお菓子をもらえる!というだけで意味も分からず参加していましたが、ヨーロッパ発祥のお祭りで、秋の収穫をお祝いし、先祖の霊をお迎えするとともに悪霊を追い払うお祭りだそうです。日本でいうお盆にあたる行事に似ていますね。お菓子は悪霊を追い払うなどの意味があるそうですよ。

 さて今回は、ハロウィンにちなんで子どもも大人も大好きな甘~いお菓子と虫歯の話をしてみようと思います。

「甘いものを食べすぎると虫歯になるよ!」とよく言われますが、甘いものは食べちゃいけないのでしょうか?虫歯発生のメカニズムから虫歯になりやすいお菓子、虫歯になりにくくする方法を探っていきましょう。

みんなが大好きな甘い食べ物は、虫歯菌も大好物!

 子どもも大人も好きな糖分を多く含む甘い食べ物は、虫歯菌たちにも大好物! では、ここで虫歯菌たちに聞いた大好きなおやつランキングを発表します。

 キーポイントは、①粘着性の高さ、②糖分の多さ(甘さの度合いではない)、③お口の中にいる時間の長さです。甘くてもしょっぱくても、お口や歯に糖分がくっついて、とれないようなものは虫歯になりやすいお菓子と言えます。

虫歯はどういう風に作られるの?

 虫歯は糖分をエサにして酸を作り出し、酸によって歯が溶けてしまった状態を虫歯と言います。

進行すると歯に痛みが出たり、歯の内部の神経まで達して耐えられない痛みの原因になったり、虫歯菌が全身に回ってしまうことも…。

そうなる前に、細菌たちを口の中で増やさないようにすること、酸をつくりにくい口内環境を作ってあげること(アルカリ性の環境を作る)が大切です。

虫歯菌としてよく知られているミュータンス連鎖菌のミュータンス君(可愛い名前をしていますが、悪い菌です)を例にイメージ図を交えてわかりやすく説明していきます。

  1. 糖分が口腔内に入ってくると甘いものが大好きなミュータンス君は糖をたべて、どんどん仲間を増やします。
  2. 歯にくっついたミュータンス君はネバネバ物質グルカンを放出し、ちょっとやそっとでは壊れない家を建て、歯に強力に付着し、歯の表面に白い汚れとして現れます。
  3. これがプラークです。
  4. プラークの中はミュータンス君から作られた乳酸で酸性になり、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。これが虫歯です。

虫歯の予防法

 次は虫歯の予防方法についてみていきましょう。

虫歯を予防するポイントは、大きく分けて3つです。ポイント別にみていきましょう。

  1. お菓子を食べた後のケア
  2. おやつを食べる時間
  3. 唾液の分泌を促そう

1.お菓子を食べた後のケア

 ご存じの通り、虫歯になりやすい場所は、奥歯の溝、そして歯と歯の間です。歯みがきや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの使用、それぞれの歯列に合ったケアでプラークを落としましょう。

 歯みがきや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの使用、それぞれの歯列に合ったケアでプラークを落としましょう。

2.おやつを食べる時間

 虫歯予防には「長時間食べかすが口の中に残らないような習慣」を身につけることが大事です。おやつの時間を決めずにダラダラ何度も食べていると、口の中が長時間酸性の状態になるため、歯が溶け出して虫歯になりやすくなります。

 おやつは時間を決めて食べるようにしましょう。食べた後は歯を磨くか、口をすすぐようにしましょう。 睡眠中は唾液の分泌量が減るので、口の中にいる虫歯菌の活動が活発になるので、特に夜寝る前の歯みがきは忘れないようにしましょう。

3.唾液の分泌を促そう

 唾液は口の中の細菌を洗い流したり、酸を洗い流したり薄め、歯の再石灰化を促進するという役割もしています。唾液の分泌は虫歯の進行と大きく関わっています。

日頃から、食事やお菓子を食べる時はよくかみ、唾液の分泌を促すことが大切です。

 唾液には、溶けかけた歯を修復する作用(歯の再石灰化)や、プラークの中にある酸の力を弱める作用(酸の中和促進)などの力があります。唾液は、お口の中を守ってくれる強い味方なのです!お口の中にものがあると、自然に唾液は出るのですが、特にお口の機能をサポートしてくれるガムも最近は増えてきました。

たとえば、そういったガムにはミュータンス連鎖球菌の活動をゆるめる効果のあるキシリトール配合のガムや歯の成分になるリン酸やカルシウムを含むガムもありますので、試してみるのもいいかもしれませんね。

キシリトールとリカルデント、虫歯予防に最も効果的なのは?

 甘いものを食べてはいけないわけではありませんが、甘いものを食べる時は、食べる時間、食べた後のお口のケアが大切です。

 おいしいものを食べることの多いこの時期の合言葉、Trick or Treat(トリックオアトリート)、に「Treat&Treatment」(食べた後は歯を大切にするという意味で)を追加するのはいかがでしょうか。お口の環境を整えて、ハロウィンを楽しんでくださいね。

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