お子さまの歯の特徴から虫歯予防のポイントを知る

赤ちゃんのかわいらしい歯。白くて、小さくて、透明でキラキラしています。子供の成長が感じられてとてもうれしいものですよね。今日は、乳歯の特徴と、子供の虫歯予防のポイントをお話しします。子供のかわいい歯を守ってあげたいけど、どうすればよいの?という方は、必見です!

1.乳歯の特徴

キラキラした白くて小さい歯、永久歯と比べてどんな違いがあるかを知れば、守るためのポイントがわかります。永久歯と比較した乳歯の特徴は何といっても歯質です。

乳歯は「歯の層であるエナメル質・象牙質が薄く柔らかい」ことがわかっています。柔らかいだけでなく、その層の厚みも永久歯と比べると半分以下となっています。歯質だけ見ても、虫歯に対する抵抗力が少ないことがわかります。

2.乳児の生活と虫歯予防

虫歯の3大原因は、「歯質」・「食生活」・「細菌」です。そして、これに虫歯が形成される「時間」の要素が加わることで虫歯ができていきます。逆を言えば、この3大原因のうち1つでも完璧な状況であれば、虫歯になることはありません。例えば、歯質がもろくて、お口の中が細菌だらけであっても、お口に中へ食物を入れなければ、虫歯菌が働くことができないのです。これは、細菌についても同じことで、虫歯菌が一切なければ、どんなに歯みがきをしなくても虫歯菌にはなりません。しかし、これは現実的に不可能なこと。特に、虫歯を防ぐためには乳幼児期~学童期にかけては、
これらの3つのバランスを正しくコントロールすることが重要になってきす。
こどもの生活環境の中には、虫歯になりやすい原因が多く含まれています。
乳幼児期の生活環境と乳歯の特徴のポイントをご説明します。

(1)歯が小さい → やわらかくもろい歯質

お話ししたように乳歯は外側の硬いエナメル質やその次の象牙質の厚さが永久歯の半分しかありません。歯の大きさが小さいということは、それを構成する歯の層の厚みも薄いということです。そのため、硬度も弱くもろくなっています。

(2)子どもの食べ物の量と質 → 虫歯のできやすい食生活

子どもの食べ物が好む食べ物は、砂糖が使われた甘いものやドーナッツやハンバーグなど柔らかいものが多いです。柔らかい食べ物は、歯に定着しやすく歯垢を生み出しやすくなります。
また、1回に食べられる量が少ないため、飲食する回数も必然的に多くなります。モグモグしている時間(モグモグタイム)がだらだらと続いてしまうことは良くありません。食べ物や砂糖が入った飲み物を含むたびに、お口の中は酸性に傾きます。飲食中に酸性になったお口の中は、その後アルカリ性の唾液の力により時間をかけてと中性へと変化していきます。それは、虫歯菌が活動しやすい環境からお口を守る体の自然な働きです。
しかし、食事の頻度が多いとお口の中が中性へと戻る時間が少なくなり、酸性に傾いた状況が長引いてしまいます。だらだら食べをやめ、モグモグタイムにメリハリをつけることにより虫歯予防ができます。

(3)上手に歯みがきができない → 細菌が増えやすい環境

乳児期は飲食の回数が多いですが、自分で上手に歯みがきをすることは難しいです。パパやママが歯磨きをしようとしても嫌がってしまう子もいるため、1日数回の歯みがきが、パパとママと赤ちゃんの戦いのようになっていることもあるのではないでしょうか。ブラッシングがうまくできないと虫歯菌の思うつぼです。

(4)睡眠時間が多い → 虫歯ができる時間

子どもはよく遊び、よく眠るのが健康の証です!赤ちゃんの頃は、1日のうちにほとんど寝ていると言ってもよいほどです。眠っている時間は、お口の運動が行われないため、唾液の分泌が抑制されます。唾液はお口の守り主。唾液による浄化作用が十分に行われないため、細菌が増殖してしまう時間となっています。
だからこそ、大人も子供も同じように寝る前の歯みがきは大切なのです!

3.乳歯の虫歯の特徴

3歳児の虫歯の発生率は下がってきたことがわかっていますが、3歳~学童時にかけての虫歯が多くなっているそうです。

(1)虫歯になる歯の数が多く、虫歯の進行が早い

永久歯と違い、乳歯の虫歯はいくつかの歯にまたがっていることが多いです。永久歯に比べて歯が酸に弱く虫歯になりやすいのですが、歯の表面積も小さく隣の葉との距離が近いため、1本の歯が虫歯になるとその隣にもすぐ広がってしまうことが原因として考えられます。

(2)自覚症状が明確ではない

学童前の子供は、自分の歯の状態の確認を行うことはありませんし、自分の歯の変化に気が付くことはほとんどありません。また、永久歯の虫歯のようにお水を飲んだ時にしみたりすることもほぼまれです。毎日のパパ、ママのブラッシングで気が付かなければ、虫歯の存在に気が付かず放置してしまいことになります。

(3)発生しやすい場所がある

1歳を過ぎるころになると、上の前歯が最も虫歯にかかりやすくなります。これは、歯が母乳の中に浸かる時間が多くなるためです。お口の中で唾液が分泌される箇所との影響が大きいためです。発生しやすい場所としては、歯と歯の間、臼歯のかみ合わせ部分も磨き残しが多く、虫歯になりやすくなっています。
虫歯になりやすい箇所をあらかじめ知っておくことで、ポイントを絞って歯みがきができますね。

4.乳歯の虫歯が与える影響

乳歯が生え揃った後、徐々に顎が発達していき、歯の隙間が大きくなります。乳歯はその後生えてくる、永久歯のガイド役となっています。乳歯が虫歯のために抜歯を余儀なくされると、永久歯がどこに生えてよいかわからなくなり、正常な歯並びとなりません。また、虫歯菌が活発に活動している中で、新しい歯が生えてきても、虫歯になりやすい環境にさらされるだけです。
乳歯の虫歯は、次に生えてくる永久歯だけでなく、子供の発音や食生活、正常な発達まで影響を与えます。子供が虫歯により、固いものや繊維質などを食べるのを嫌がることで、正常な発育ができなくなります。正しい発音は乳歯の時に身に着けていきます。

乳歯の虫歯の予防キーワードは次の3つです。

  • 「乳歯は虫歯になりやすいと心得る」
  • 「モグモグタイムのメリハリ」
  • 「丁寧なブラッシング」

「乳歯は虫歯になりやすいと心得る」

乳歯は柔らかく、歯質の特徴からも虫歯になりやすいです。そのためにも、定期的な歯医者さんでのチェックはとても重要になってきます。虫歯になった後に歯医者さんに行くと、親のショックな気持ちが子供に伝わり、治療の怖さも相まって歯医者さんは行きたくない場所になってしまいます。
歯医者さんは予防するための場所として、通う習慣をつけるとよいかもしれません。そして、虫歯を見つけたからと言って、ショックになりすぎず、慌てない!乳歯は虫歯になりやすいんです。慌てないためにも、信頼できる歯科医を見つけておきましょう。

「モグモグタイムのメリハリ」

だらだら食べの抑制のためにも、きちんとおやつの時間にメリハリをつけましょう。食べるおやつや食事の内容も糖質少なめのものを選びましょう。できればサツマイモ・カボチャなどの自然な甘みを多く含んだものがベターです。

「丁寧なブラッシング」

子どもは上手に歯みがきができません。歯の生え始めは、パパかママがガーゼで優しく表面をなでるだけで十分です。歯が生え揃うにしたがって、奥歯も含めて歯を1本ずつ磨けるように心がけましょう!
何よりもパパとママと子供の戦いの時間ではなく、よいコミュニケーションの時間になりますように。

子どもが小さいころは、あっという間に過ぎてしまいます。歯を通して行うコミュニケーションも、お子さんとパパ、ママにとって良い時間となれるように願っています。

プラザ若葉歯科は、お子さんのかわいい歯を守りたい応援団です。ぜひ、信頼できるかかりつけ歯医者さんの候補に入れてくださいね。