タバコで色素沈着した歯茎は、きれいになるの?

タバコによって、ヤニが歯に付着することは広く知られていますが、歯茎にも色素沈着して黒くなってしまうことがあるのです。喫煙する人の中には、歯茎の黒ずみに悩んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか?
ピンク色のきれいな歯茎は、周囲に清潔感と健康的な印象を与えてくれます。
そして歯茎が黒いことは、見た目の問題だけではありません。歯茎の色は、お口の状態を教えてくれる大切な役割もあるのです。

1.タバコで歯茎が色素沈着するのはなぜか

喫煙すると歯茎が黒くなる理由

そもそも、健康な歯茎がピンク色なのは、どうしてかご存知でしょうか?
それは、歯茎の中にある毛細血管が透けているためです。ですが、タバコに含まれる一酸化炭素によって、歯茎の組織が酸欠状態になり、ニコチンによって毛細血管が収縮してしまいます。すると血流が悪くなり、歯茎が黒ずんで見えるようになるのです。
もうひとつの理由は、喫煙することによってメラニン色素(シミや日焼けのもとになる色素)が増加するためです。また、通常はビタミンCによってメラニン色素は抑制されるはずですが、タバコはビタミンCを奪ってしまうため、結果的にメラニン色素の生成が抑制されず、黒っぽい色素沈着を招いてしまうというわけです。

受動喫煙で子どもの歯茎も黒くなる

喫煙しない人でも、副流煙を吸い込み続けることで、歯茎が徐々に黒ずんでくるケースもあります。
家庭内で喫煙する人がいる場合、同居する小さな子どもが副流煙を吸い込み、それが長期化すると幼いうちでも歯茎が黒くなってしまうことがあるのです。また、次の章で述べている「タバコによる歯周病とむし歯のリスク」は、受動喫煙によっても高まると言われています。当然のことながら、歯茎の色素沈着だけでなく、受動喫煙がもたらす子どもの身体への健康被害は深刻ですから、お子さんや同居家族への配慮は不可欠と言えるでしょう。

2.色素沈着以外に、タバコがもたらすお口のトラブル

タバコが直接むし歯や歯周病を発生させるわけではありませんが、間接的に影響をもたらしてしまうことがあるので、どんなトラブルにつながることがあるのか知っておくことで、早めに治療することができると良いですよね。

歯周病

喫煙は歯茎の毛細血管の流れを悪くするため、歯茎へ十分な栄養が行き渡らず、炎症を起こすリスクが高まったり、すでに歯周病のある人は進行しやすくなることがあります。また、色素沈着していると、歯茎の炎症に気が付きにくくなり、歯や歯茎の問題を発見することが遅れてしまうかもしれません。歯周病は悪化すると、歯を失ってしまう可能性もあるため、早めの治療や普段の定期健診がとても大切ですね。

むし歯

口腔内の抵抗力が下がったり、歯を清潔に保つために必要な唾液の量が減ってしまったり、ヤニに歯垢がたまりやすいことから、非喫煙者以上にむし歯へのリスクが高まることがあります。前述のように、副流煙を吸い込んでも同じような影響がありますので、喫煙習慣のない人でも注意が必要です。

その他

喫煙による発ガン率の増加は、知らない人がいないほど有名な話だと思います。肺がんだけでなく、口腔ガンや咽頭ガンを引き起こす確率も、非喫煙者に比べると増加する可能性があります。

3.歯茎の色素沈着を改善する方法

歯科治療

タバコによる色素沈着の場合、歯科医院によっては、歯茎をピンク色に戻すための治療を行っているところもあります。歯茎の状態によって治療が受けられない場合もありますので、まずは相談してみることをおすすめします。
また、歯周病のトラブルをすでに抱えている場合は、適切に治療することによって、健康的なピンク色の歯茎に近づくことも可能です。
歯茎以外にも、歯に付いたヤニは時間が経つと歯ブラシで落ちにくくなるため、歯科医院でクリーニングを行い、ヤニの沈着を防ぐことも効果的です。

禁煙

禁煙するとすぐに劇的にピンク色に戻る、というわけではありませんが、徐々に改善するとも言われています。少なくとも、喫煙し続けたままでは改善は難しいというのが現状です。
血行不良が改善されることで、歯茎の色が健康的に近づく可能性があり、逆に喫煙を続けていると、歯茎の細胞のターンオーバーを遅らせてしまうため、そういった意味でも禁煙による効果はあると考えられます。

喫煙習慣を見直すことで、歯茎の色素沈着を防いで美しい口元へ近づけることだけでなく、さらにお口の健康を守ることにもつながります。愛煙家の方々は、お子さんや周囲への副流煙の配慮をしたうえで、ご自身も歯科医院での検診を欠かさず、お口のトラブルを見逃さないようにしましょう。
プラザ若葉歯科では、美しい口元を作ることを目的とした、審美歯科治療を行っています。歯や歯茎の悩みがある方、気になることがある方は、ぜひ一度、お気軽にご相談くださいね。