口内炎ができる原因は免疫力低下のサイン?

痛い口内炎

おいしいものをモリモリ食べているときに、思いっきり口の中を噛んでしまうことほど、奈落の底に落ちることはありません。青天の霹靂とはまさにこのこと。ゆるみにゆるんだ気持ちのままで、ノーガードで相手の渾身の一撃をくらうようなものです。口内炎には、いくつかのきっかけがありますが、このような外からの刺激がもととなり、口の中には炎症ができることもあります。

口内炎とは、原因は何であれ、お口の中にできた炎症のことを指す総称です。できてしまった後は、食べるのがつらかったり、話しづらくなったり、飲み物が凍みたりとてもつらいものです。食事や水分補給のたびに、自分が弱っていることを痛感させられ、落ち込みます。

口は生活の豊かさを支える大切な場所です。口内炎は、そんな大切な口と私たちのライフに不穏な影を落とす天敵。今日は、そんな口内炎について、主なものやその予防法・治療法などについてお話します。

口内炎とは、前述したようにお口の内部にできる炎症のことです。お口の中を守ってくれる表面の粘膜がただれたり、傷がついてしまったりするため、食べ物や飲み物が触れただけでも、かなり強い痛みを感じます。頬の内側や唇の裏にできるもののことだけでなく、のどの奥や、ベロのふちにできることもあります。軽症なものであれば、1~2週間で自然に治ることが多いようです。口内炎は、原因や種類によって対処法、治療方法も変わりますので、代表的な口内炎について簡単にお話しします。

代表的な口内炎

①アフタ性口内炎

円形または楕円形の白っぽい小さな潰瘍で、境界線がはっきりしています。潰瘍の表面が白か黄色の膜でおおわれています。潰瘍の周囲が赤くなります。最も一般的な口内炎で頬の内側や舌、唇の裏や歯茎にできやすいものです。痛みがあり、食べ物や飲み物が凍みます。

繰り返しできることもあり、その場合は「再発性アフタ性口内炎」と言われます。

アフタ性口内炎の主な原因と予防・ケア・治療法

②外傷性口内炎(カタル性口内炎)

冒頭に示したような自身の口を噛んでしまうことや、入れ歯・矯正器具などが何度もすれてしまうなど、外的な要因や接触がきっかけで発生してしまう口内炎です。それらのきっかけにより粘膜に傷がついてしまい、細菌が繁殖して炎症となってしまうもので、ただれたり、潰瘍になったりします。粘度の高い唾液が増えて口臭が発生したり、口の中が熱く感じたりすることもあります。 境界が明瞭なアフタ性とは異なり、境界が不明瞭なことが特徴です。

外傷性口内炎(カタル性口内炎)の主な原因と予防・ケア・治療法

③ヘルペス性口内炎

ヘルペスウイルスへの感染で発症する口内炎です。歯茎・舌だけでなく唇の外側やのど奥に近い粘膜にも表れます。口回りがピリピリ、チクチク感じたり、赤みがでる、水膨れなどの症状があります。一度感染すると、免疫力の低下とともに再発を繰り返してしまうことがあります。

感染した場合、潜伏期間を経て発疹や高熱が数日続いた後、しばらくして舌や唇の裏の粘膜に、小さな水ぶくれができ、赤くはれて痛みを感じます。 生後6か月~3歳くらいの乳幼児の時にかかりやすいといわれています。

ヘルペス性口内炎の主な原因と予防・ケア・治療法

④カンジダ性口内炎

カンジダというのは、もともと口の中に常在している菌の一つで、カビの一種です。そのカンジダが口の中で増殖して発症する口内炎が、カンジダ性口内炎です。白くて軟らかい、こけ状の斑点ができ、赤くただれる。口内全体のあらゆる部位にできるなどの特徴があります。口の中の違和感や舌のしびれ、味覚の異常を感じる場合もあります。ステロイド剤や抗生物質の長期服用などで、常在菌のバランスが崩れることでも発症してしまいます。

カンジダ性口内炎の主な原因と予防・ケア・治療法

健康な場合は発症しにくいカンジダ性口内炎のため、発生した場合はほかの重篤な病気が隠れている場合もあります。

口は呼吸したり、食べ物食べたり、人と話したりする、生きるための要素が詰まっている大切な場所です。時々口内炎が、お口が健康でいることのありがたさを教えてくれます。でも、できるならば痛い思いはしたくないもの。

口内炎には自身の疲れが反映してしまうものから、感染症、ほかの病気のサインなど、あらゆる種類のものがあることがわかっています。ということは、反対にお口に問題がないことは、免疫力も抵抗力も弱っていない、という一つのバロメータにもできるということではないでしょうか。

お口回りの不調は、毎日をほんの少し憂鬱にします。いつも心も体も晴れやかでいられるために、お口の中、歯、舌など気になることがあれば、遠慮なくご相談くださいませ。