電車の中で揺られて、持っていたスマホを床に落として「はっ」と気づいたことはありませんか?電車に限らず乗り物の揺れに身をあずけて、ウトウトとしながらまどろんでいる時間はとても心地よく安心した気持ちを感じてしまいますよね。こんな穏やかな心持ちで治療を受けられたら、怖い気持ち不安な気持ちが和らぐのではないでしょうか。
今日は、抜歯やインプラントなどに対して、大きな緊張や不安を感じてしまう患者さんのためにリラックスできる状態を導く麻酔方法、「静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)」についてご紹介したいと思います。
1.静脈内鎮静法とは
静脈内鎮静法とは、治療や手術を始める前に、患者さんの静脈にリラックスできるお薬を静脈内に点滴で入れていくもので麻酔方法の一つです。血圧計・呼吸を観察しながら少しずつ、点滴で血管にお薬を落としていきます。血管に鎮静薬を注入する静脈内鎮静法は、精神的な不安・緊張感をおおきく和らげてくれる麻酔方法なのです。
感覚としては、少しずつ眠たくなっていくように、ふわふわした意識になっていきます。個人差はありますが、ウトウトとしている寝る前の状態や、お酒を飲んで酔い始めて気持ち良くなったような感覚とも似ています。大きな鎮静効果を得ることができる麻酔方法です。
リラックスできる効果が大きいため、以下のような方が対象となります。
リラックス効果の高い麻酔薬を利用するので、「麻酔で痛みを感じないというけど、それ以外にも匂いや音、振動も苦手で歯科治療を進められない」、という患者さんにとってもうってつけの方法です。穏やかな気持ちになって治療が受けられるので、恐怖心や不安感が軽減します。また口の中に触れられると思わずえずいてしまうような、嘔吐反射の強い患者さんにも高い効果を発揮します。
2.静脈内鎮静法と全身麻酔との違い
痛みも感じず、リラックスできる方法であれば、眠っている間に手術が終わってしまう全身麻酔でもいいのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。静脈内鎮静法と全身麻酔には、以下のような大きな違いがあります。
静脈内鎮静法は、全身麻酔と異なり治療中も会話が可能で、患者さんの体調に異常が起きたときに症状を訴えることが出来ます。入院の必要もないため、入院に係る諸経費などの面からみても治療費を抑えることができ、なおかつ安全性の高い方法です。 しかし、気持ちを和らげることに特化しているため、歯を抜いたり神経をとったりするような強い痛みをとることはできません。痛みを伴う処置を行う場合には必ず局所麻酔を併用します。
全身麻酔は中枢神経に作用するために、意識がなくなるだけでなく、呼吸も止まります。そのため人工呼吸が必要になります。患者さんは体調に異常がおきても訴えることはできません。静脈内鎮静法に比べるとより入院が必要なほどの高度な技術、設備が必要となり、意識が完全に回復するまでの時間にも差があり、患者さんの負担も大きくなります。 静脈内鎮静法は、このようなことから、患者さんにも歯科医師にも優しい麻酔といえます。
3.静脈内鎮静法のメリットとデメリット
ここまでお伝えすると、魔法のような麻酔方法のように感じる方もいるかもしれませんが、やはりメリットがある反面、デメリットもあります。
4.静脈内鎮静法の麻酔を受けられない方がいます
以下のようなリスクの高い方は受けられません
5.当院で静脈内鎮静法を用いて行っている主な治療
・インプラント治療
・親知らずなどの抜歯
当院では、主治医と相談したうえでご希望のある患者さんには、静脈内鎮静法にてリラックスした状態でのインプラント治療などを行うことができます。不安が強い方や、恐怖で治療が受けられなかった患者さんにとっても、とても満足していただいております。
治療後は意識が明瞭になっているわけではないので、帰りは必ずお迎えをお願いしています。一歩踏み出せない治療がある方、プラザ若葉歯科ではそれを後押しできる静脈内鎮静法という方法があります。話だけでもご相談に乗りますので、お気軽にプラザ若葉歯科にご連絡ください。