子供はよく転びますよね。乳幼児は体に比べて頭が重たいので、仕方ないなーと思いながらわが子を見ています。小学生になれば、もっと活発になり怪我や打撲も増えていくと思います。
ぶつけたり転んだりして傷がつくのは体だけではありません。顔やお口の周りを傷つけてしまうこともあるかと思います。今回は外傷によって歯が欠けたりした場合の処置についてお話します。
目次
焦らずに対応しよう
衝撃で歯が欠けた場合、それと同時に口の中が傷ついていることも少なくありません。傷がついていたら、お口の中で血が出てきて、本人も一緒にいる大人も怖くなってしまうと思います。どんな怪我でも言えますが、緊急時に一番重要なのは一緒にいるお父さんお母さんが落ち着くことです。その後に、どうしたらよいのか対処法をお伝えします。
1.親も子供も落ち着く
まずは一緒にいるお父さん・お母さんが深呼吸などして落ち着き、冷静になることが大切です。そして、お子さんが泣き叫んでいるときは、やさしく抱き寄せるなどして少しでも安心させてあげましょう。
2.歯の欠片を探し取り出す
口の中に欠けた歯の欠片が残っていることがあります。ざっと見てわかる場合は、取り除いてあげましょう。残ったままにしていると、口の粘膜を傷つける原因になります。
3.うがいをさせて、出血箇所の確認する
お口の中のどこが切れて出血しているのか確認しましょう。出血の量が多ければまずは吐き出させて、血を飲まないようにします。血を飲み込んでしまうと、むせたり、気持ちが悪くなったりすることがあるので注意してください。泥や砂がまじっていれば口をすすぎ、傷口と、傷の深さを確認します。出血が多くても、うがいをさせて傷を見ると、案外小さいものだったりするので、落ち着いて確認してください。
4.(血が流れている場合)圧迫して止血をする
圧迫止血をしましょう。洗ったタオルやハンカチ、清潔なガーゼを出血している部分に10秒くらい押し当てて、出血が続いているかどうかの確認をしましょう。圧迫止血は出血が止まるまで続けてください。あわててティッシュペーパーなどを使うと、口の中で傷口にくっついてしまい、あとの処置がしにくくなります。
5.氷で冷やす
歯茎が腫れた時や痛みがある場合には、氷で冷やす方法がおすすめです。冷やす時のポイントは、ケガをした箇所を直接冷やさないこと。氷を包んだタオルや水で濡らしたタオルを頬の側から優しく当てましょう。また、冷えピタなどの冷却ジェルシートを貼るのも効果的です。
ここまでの応急処置ができたら、なるべく早めに小児歯科の診療を行っている歯科医院へ連れていきましょう。
そのほかの症状でもなるべく早く歯科医院を受診しましょう
子供は予想外の行動をするものです。気を付けていても、怪我や打撲をして帰ってきます。歯が欠ける以外のお口周りの外傷もあると思います。以下にどんなことが起こりうるかまとめました。早めに歯科医院を受診することをお勧めします。
歯が抜け落ちた
欠けた歯の保存方法でもご紹介したように、抜け落ちた歯をなるべく早く保存液や牛乳の中に入れて、受診してください。歯の根の部分に触らないこと、歯根膜繊維が死んでしまうため、水道水で洗わないこと、歯を乾燥させないことが大切です。 牛乳がない場合は、飲み込まないように注意させて口腔内で保存してください。歯科医院で抜けた歯をきれいにして元の位置に戻すと、うまくつくことがあります。
歯がぐらぐらする
歯を打ったことで、歯がグラグラになったり、周りの歯肉から出血したりこともよくみられます。歯を支える骨の部分がダメージを受けた場合に起こりやすいです。ときには歯の根が折れた場合にもグラグラになります。
歯の位置がずれた、めり込んだ
ふつう永久歯が生えてくるのは6~7歳ごろからですが、早い子では4歳から歯がぐらつくこともあります。また、以前歯をぶつけていたのに、気づかずにいて、後からぐらぐらしてきたということもあります。歯を打ったことで、めり込んだ場合、乳歯のすぐ下に永久歯があり、力の加わる強さや方向により、永久歯への影響も出てくるので、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯の色が後から変わってきた
歯をぶつけたときはちょっと出血してすぐに止血したのに、後から何となく色がおかしくなってきたということがあります。これは、ぶつけたときに歯の根元にある神経が損傷してしまったためと考えられます。気がついた段階で、急いで歯科医院を受診しましょう。
強い力が加わった子供のけがは、お口のケガにかかわらず、早い段階での適切な処置が大切です。こんな時のためにも、相談できるかかりつけ医院があると安心ですね。小児歯科でお困りの際は、プラザ若葉歯科にご相談くださいね。