歯科訪問診療で できること

口は食べたり、話したり、呼吸をしたりと生きていくために、とても大切な器官であり、人にとってなくてはならないものです。それと同時にきちんと歯磨きをしていても、虫歯やかみ合わせ歯周病など、問題が起きてしまうケアの難しいところでもあります。特に、障害のために体が不自由な方や、身体機能の低下しているご高齢者にとって丁寧な口腔ケアの実施は、大変なことが多いのではないでしょうか。ケアが行き届かなくなると、お口の状態は悪化していきます。それに伴い、口の機能が低下するため、食べたり話したりすることも、少しずつできなくなっていくのです。通院が難しい人ほど、お口のケア・治療が必要なのはそのためです。
外出ができない方や、歩行に不安がある方が、ご自宅や入居施設で受けられる在宅歯科医療があります。一般的には訪問歯科または歯科訪問診療(以下、訪問歯科とする)と呼ばれています。

1. 訪問歯科の対象

訪問診療は、あらかじめ予定を立てて計画的に、定期的にご自宅へ伺い診察するものです。計画的に治療やケアを行うのですが、そのためにいくつかの決まりがあります。訪問歯科についての決まりごと、対象者・対象先のお住まいや距離制限、診療内容などを簡単にご紹介します。

(1)対象先:通院が困難な方

訪問歯科の対象者は、通院が困難である方に限ります。それ以外に制限はありません。そのため、健康な方が「歯医者さんに行くのが面倒だから家まで着て診療してほしい」というご要望には応えられません。
歯科医院の規模や体制などによって、要支援・要介護の認定を受けている方のみを、訪問歯科の対象として制限を設けているところもあります。しかし、要支援・要介護度は訪問歯科を行う上での必須条件ではありません。知的な障害や、身体の障害、長・中期的な入院が必要になった場合など、通院が困難な理由があれば、訪問歯科を受けることができるのです。

(2)対象年齢:制限なし

現状では、訪問歯科を利用されている患者さんのほとんどは、ご高齢の方ですが、訪問歯科の対象者となるのに、年齢の制限はありません。年齢にかかわらず、中・長期的に入院される方、下半身のリハビリ中のなど、通院が困難な方は、どなたでも利用することができます。
ちなみに、歯科通院と年齢の関係性の調査によると、70歳前半を超えるころから、歯医者さんへの通院回数は急速に減少していくようです。70代に入ったころから、突然口腔環境が良くなることは考えられないので、お口や歯に悩みや問題があっても、通院できなくなる場合が増えるということになります。

(3)対象先:訪問歯科の対象となるお住まい

訪問歯科の対象となる訪問先には、決まりがあります。訪問歯科が訪問できる訪問先として定められている「居宅等」に含まれるものは、以下に示す戸建てやマンションなどの居宅と、病院などの施設を指します。以下、箇条書きで示した場所をご参照ください。

居宅

  • 患者さんの戸建て住居、集合住宅
  • 養護老人ホーム
  • 軽費老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • 小規模多機能型居宅介護(宿泊サービス利用者のみ)

施設

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)《特養》
  • 介護老人保健施設《老健》
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院
  • 歯科のない医療機関(病院・診療所)
  • 障碍者支援施設(入所)
  • 福祉型障害児入所施設
  • 医療型障害児入所施設
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)

以上に該当する施設又は居宅が訪問歯科の対象先として可能となる診療場所となります。記載した施設や居宅に該当しない、デイサービスや通所施設などは、対象施設に含まれないため、訪問先として診療に来てもらうことはできません。

(4)距離制限:対象歯科医院からの直線距離が16km以内

医師でも歯科医師でも同様ですが、国によって定められた訪問診療の距離制限があります。診療所からの直線距離が16km以内であることです。これは、訪問治療を保険診療内で行うことができる範囲となります。患者さんのご希望により診療所、歯科医院から16kmを超えた先で訪問歯科を行う場合は、自費治療が適用となります。なお、離島などでは例外が認められる場合もあります。
訪問診療にかかる交通費(ガソリン代・公共機関などの運賃など)は、患者さんから徴収してもよい、とされているため、歯科医院によっては交通費が別途必要になる場合があります。交通費がかかるかどうかは、それぞれの訪問歯科をお願いする際にご確認ください。

2.プラザ若葉歯科が行う訪問歯科の特徴と診療内容

訪問歯科として対応できる処置内容は、実施医院によって大きく差があります。用意できる機器、持ち運べる器具・薬品などは医院の裁量によるところが大きいからです。他院との比較はできませんが、当院で行っている治療・実施内容をご紹介します。

治療

  • 虫歯治療
  • 歯周病治療
  • 義歯修理・調整
  • 咬合・咀嚼機能回復

口腔ケア

  • 口腔環境の評価、改善
  • セルフケアの確立
  • クリーニング

リハビリテーション

  • 口腔機能・嚥下機能評価
  • 食事形態・食事姿勢調整
  • 栄養改善、維持
  • 誤嚥・誤嚥性肺炎の予防

一言でいうと、プラザ若葉歯科では歯科医院内でできることは、すべて行うことができます。歯科医院に直接来られない方にこそ、高度な治療とケアが必要だと考えるからです。持ち運び可能な高精度な治療機器、各診療室に常備している器具・薬品類も全て持ち運んでいます。
虫歯の治療や、歯周病の治療、かみ合わせのバランスの調整、義歯(入れ歯)の作成や調整など、歯科医院で実際に行っている治療・ケアの全てを、訪問歯科でも同様に提供できる環境を整えています。

また、当プラザ若葉歯科の大きな特徴として、訪問歯科として訪問先へ伺う時は、必ず歯科医師と歯科衛生士がペアになって訪問を行っています。歯を治療するプロである歯科医師と、歯を守るプロである歯科衛生士が必ず一緒に行動して、お互いをサポートする役割を果たします。それぞれのプロがいるからこそ、治療、口腔ケア、予防そして、リハビリテーションと様々な状況のサポートができるのです。

3.プラザ若葉歯科から訪問可能な市町村

国の定めでは診療所から直線距離16km以内の距離まで歯科訪問が可能なのですが、当プラザ若葉歯科では、移動時間の関係で直線距離9km以内までを訪問歯科の対象としております。以下に示した地図で示す通り、赤枠内(半径9km以内)であれば、プラザ若葉歯科からの訪問歯科の対応が可能です。

歯科訪問対象市町村(埼玉県)

  • 鶴ヶ島市(全域)
  • 坂戸市(全域)
  • 川越市(半数以上)
  • 日高市(一部)
  • 毛呂山町(一部)
  • 狭山市(一部)
  • 鳩山町(一部)
  • 東松山市(一部)
  • 川島町(一部)

4.訪問歯科申し込み方法

訪問歯科は、歯医者さんのすべてが行っているわけではありません。訪問診療が可能になるためには、持ち運びできる機材の準備、移動する手段の確保、診療中の時間であれば医院にとどまって滞りなく診療を行うことのできる人員が必要となります。
まずは、かかりつけの歯医者さんで訪問歯科を行っているかどうか尋ねてみてください。かかりつけの歯科医院がない場合は、インターネットで調べるか、自治体の歯科医師会などにお問い合わせください。
 また、事前に申し込みに時にお尋ねする確認事項の一部を記載します。参考にしてください。

問い合わせ先

  • プラザ若葉歯科
  • その他かかりつけの歯医者さん
  • ご自宅のある市町村の歯科医師会
  • 都道府県の歯科医師会

申し込み時の確認事項(一部)

  • 訪問先の患者様情報(お名前、ご住所、年齢)
  • 要支援、要介護度(参考のため)
  • ケアマネージャーの情報(担当がいる場合)
  • お口の状態、悩み、不具合など
  • 使用できる電源があるか
  • 駐車スペースがあるか

プラザ若葉歯科では、近隣の市町村へも訪問車にて訪問歯科を行っております。それは、お口の治療やケアが本当に必要な方が、歯科治療を受けられるようになってほしいと、心から望んでいるからです。歯やお口にトラブルがあるままだと、楽しい日常は送れません。生活の質の向上は豊かな人生につながります。おいしく食べて、楽しく話して、よく笑って、素敵な毎日をお過ごしください。
訪問歯科について疑問や質問がある方は、ぜひ遠慮なくお問い合わせください。私たちは体と心の健康を、お口の健康から本気で応援しているプラザ若葉歯科です。