入れ歯の作成が上手な歯医者さんの条件

入れ歯を使用されている方の多くが、痛い・外れる・よく噛めないという悩みを抱えています。ストレスなく食事を楽しみ、上手に入れ歯と付き合うことはなかなか難しいようです。それは、お口に入れる人工物の体積が大きいために半分は仕方のないことでもあります。しかし、よく合う入れ歯を作ることがとても難しいことも大きな原因です。

歯を失ってしまった方が、引き続き豊かな食生活を過ごすことができるようにあるための入れ歯。今日は、上手な入れ歯を作ってくれる歯医者さんの条件について考えたいと思います。

1.入れ歯が合わない理由

ほんの少しの異物も不快に感じてしまうほど、お口の中はとてもデリケートです。1~2本分の歯が抜けた部分に部分入れ歯をすることを考えても、他の歯を固定するためのバネ、歯の支えとなる歯茎部分など歯そのもの以外の人工パーツもお口の中に入れることになります。総入れ歯の場合は、さらに大きなものをお口に入れることになるため、なかなか元の健康なお口のようなストレスフリーな状態には程遠いものとなってしまいます。入れ歯には慣れが必要だ、とよく言われるのは、このためです。

入れ歯が合わない理由、そして徐々に合わなくなってしまう理由をまとめました。入れ歯が合わない理由はいくつかの原因が複合的に絡み合っていますが、大きく分類して以下の4つです。

(1)お口の形にあっていない入れ歯

入れ歯を作る際に、必ず患者様のお口の状態を再現するために型取りをします。取られた型で歯型・口腔型を作り、そこに合うように入れ歯を作成するのですが、型取りがきちんとできていないと、作成された歯型・口腔型は患者様の状態を模倣したものにはなりません。お口の形にフィットした入れ歯にするには、精巧なお口の型取りと口腔型作成が必要となります。また、よくフィットする入れ歯であっても、噛み合わせの調整が行わなければ、お口を開けたり閉めたりするとき、特にものを噛んだ時に大きく違和感を感じます。

作成後にお口に合うかどうかは、「正しく口腔模型が作成されていること」と「噛み合わせが正しく再現できていること」が必要最低条件です。これらがきちんとしたものでないと、お口の形にあっていない入れ歯ができてしまいます。

(2)骨の形の変化

歯にも歯を支える土台の骨(歯槽骨)にも血管と神経が通っています。歯や歯槽骨の丈夫さと免疫力はそれらの血の流れや神経に支えられています。歯を失ってしまうと、歯槽骨は歯を支える必要がなくなってしまうため、丈夫さを維持することをやめます。歯槽骨の高さや固さが維持されるのは、ものを噛むことによって得られる歯からの刺激や振動のおかげなのです。

歯がなくなってしまったおばあちゃんやおじいちゃんの口元がしわしわになってしまうのは、歯を支える歯槽骨が薄くなり歯茎がなくなってしまうからです。歯茎がやせるというのは、このことを指します。

よくフィットしている入れ歯を使い、きちんとものが噛めている人は、その影響も比較的少ないのですが、合わない入れ歯で噛んでいると、噛むことによる刺激がきちんと伝わらず歯槽骨がどんどんやせていきます。歯槽骨がやせていくと、お口の中の形が変わることになるので、入れ歯は当然合わなくなってしまうのです。

(3)入れ歯の消耗・摩耗

ものを食べる数だけ、入れ歯は消耗していきます。噛むこと自体により歯自体がすり減ってしまったり、毎日取り外すことで他の歯にかけているバネが緩くなってしまうこともあります。すり減ることで歯の形が変わり、かみ合わせの位置が変化してしまうことにより、徐々に合わなくなることがあります。

(4)入れ歯の汚れ

他の代替歯と比較しても、お手入れがしやすい入れ歯ですが、汚れはついてしまいます。毎日きちんとお手入れをしていれば問題ないのですが、汚れを放置している場合、食べかすや磨き残しから発生する菌が入れ歯の素材を変質させて形を変えることがあるのです。また、汚れが付着して歯石のように固くなってしまう場合もあります。

2.合う入れ歯の条件

お口によく合い、フィットする入れ歯の条件は3つ。

  • 痛くないこと
  • 外れないこと
  • きちんと噛めること

この3つのうちどれか一つでも不具合があると、安心することはできませんよね。痛くなくても、すぐ外れてしまえば人前で口を開けて笑えません。痛くなくて外れなくても、思ったようにものが噛めなければ、食べ物を食べる楽しさがなくなってしまいます。

しかし、患者さんの希望とお口の中の特性をよく知り、この条件をクリアできる入れ歯を作るのは、簡単なことではないのです。入れ歯を使っている方の多くから、悩みを聞くのはそのためです。

3.入れ歯作成でよい歯医者さんを見つけるには

(1)信頼する人からの口コミ

年配の方で、入れ歯を使用している方の多くは、口コミで歯医者さんを見つけることが多いようです。同じ悩みを抱えている友人が、悩みを解消することができた歯医者さんは、ご本人にとっても信頼しやすいのかもしれません。私の義理の母も合う入れ歯を作るために、友人に勧められた歯医者さんに片道1時間以上かけて通っています。知り合いや友人からの口コミは、客観的な評価もあり、安心して通院できるようです。

(2)入れ歯の取り扱いに力を入れている

入れ歯と一口に言っても、保険診療から自費診療を含めると、選択肢は多くあります。保険診療の範囲内で作成できるレジンの入れ歯のみであったり、医院が推奨する自費診療1種類のみの入れ歯だけにしか対応できない医院は、ご自身の希望と合致できる選択肢が限られてしまうため、あまりお勧めできません。患者様ごとにお口の形が違うように、希望の入れ歯も一人ひとり違うはずです。いくつかの候補の中から、それぞれの特性を知ったうえで、選ばせてくれる歯科医院を選びましょう。

(3)相談や要望に耳を傾けてくれる

また信頼できる歯医者さんは、親身になって患者様の要望にそった調整を行ってくれます。患者様に不快な思いをさせないようにすることは当然ですが、着け心地のよい入れ歯にするために一緒に対話ができる環境が一番大切だと考えます。お口の形が少しずつ変化するのに合わせて、定期的なメンテナンスと調整に通いたくなるような歯科医院をぜひ見つけてください。

私たちの生活を支える食事、よく噛める歯がなければ楽しい時間も苦痛になってしまいます。歯を失ってしまった後で、もう一度噛めるようになるためにはそれぞれの心配ごとの解決方法が必要です。お口によくフィットする入れ歯は、ストレスなく楽しみながら食事をすることができます。そのためにも、丁寧に診察して、入れ歯を作成してくれる、技術もホスピタリティもある歯科医院を選択する必要があります。

笑顔の大部分を占めるのは口元です。私たちプラザ若葉歯科は、患者様の不安を一緒に考え、それを解決できる選択肢のご提案ができます。入れ歯を選んだ患者様にとって、一番安心できる痛くない、外れない、よく噛むことができる最高の安心をお届けしたいと心から願っています。

私たちプラザ若葉歯科は、あなたの笑顔を文字通り応援しています。いつでも、どんなことでもお気軽にご相談ください。