マウスウォッシュで虫歯を治せるって本当?

今現在オーラルケア商品には、歯磨き粉だけではなくマウスウォッシュや、歯や歯茎に直接塗る薬など、多くの種類があります。現在注目されている液体のオーラルケア商品にも多くの種類があり、それぞれ特化した効果があります。それらのオーラルケア商品は、ブラッシングなどにプラスすることで、より効果的な予防やケアを行うことができ魅力的異なものも多いです。

 では、液体性のオーラルケア商品には、どんな種類のものがあるのか、特にマウスウォッシュ(洗口液)に注目して簡単にご紹介したいと思います。

1.液体オーラルケア商品の種類

液体のオーラルケア商品は、大きく分けて2種類あります。マウスウォッシュ(洗口液)と液体歯磨きです。2つの違いを簡単にご説明します。

マウスウォッシュ(洗口液)

マウスウォッシュは、お口に入れてすすぐもので、液体性のオーラルケア商品の1つです。デンタルウォッシュとも呼ばれますが、日本語では洗口液と言います。口臭予防やお口の中のリフレッシュなどを目的にされるものが多く、利用している方も年々増えてきているようです。しかし、マウスウォッシュは歯磨きにとって代わるものではありません。基本的には、ブラッシングの後のプラスのケアとして使うものですが、それ以外でも油っぽい食事の後や、口の中全体を洗いたい時に、爽快感を与えるなど、すっきりさせる目的で使う方もいます。中には、殺菌・除菌成分が含まれているものなどもあり、歯垢が歯に付着するのを抑制したり、歯周病菌の除菌に効果があるとされるものもあります。マウスウォッシュ(洗口液)=液体オーラルケア商品全般と思う方がいますが、液体歯磨きとは別物です。

液体歯磨き

液体歯磨きは、ブラッシングと一緒に使用するもので、ペースト状の歯磨き剤が液体になったものと考えてもらえばよいです。液体歯磨きは単独で使用するものではなく、歯磨きと併用して行うための薬剤となっています。歯を磨くための薬剤が液体になっているため、ブラッシングだけでは届きにくい場所まで、成分が浸透して、お口の中に潤いを与え、汚れを落としやすくします。

2.商品の記載項目による違い

日本には健康を守るために、薬機法(2014年より薬事法から改変)という法律があり、使用する人に与える効果や影響力の強さの度合いで次のように分類されています。

医薬品 > 医薬部外品 > 化粧品
作用が強い ⇒ ⇒ ⇒ 作用が緩やか

液体のオーラルケア商品も、一定程度の効き目を期待して、直接口に含むものなので、それぞれの上記の分類が義務づけられています。

医薬品

一般的にお薬と呼ばれるものを指します。病気の診断、治療や予防に使用するもので、高い効果が見込めるものです。そのうち、処方箋が必要な医療用医薬品と、薬剤師のいるドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品に分かれます。(第1種~第3種まであります)医薬品は効果が強いものなので、用法・容量を守って必ず使用するようにしましょう。虫歯予防に特化したものとして、医薬品含まれるフッ化物洗口液(フッ素入りのマウスウォッシュ)も発売されています。

医薬部外品

医薬部外品は、医薬品ほど効果は高くないが、化粧品よりは効果があるよ!という医薬品と化粧品の2つの中間にあるものです。積極的には治療に使われるものではありません。人体に対する作用が緩和なもので、吐き気等の不快感、あせも、等の防止を目的のためであったり、口臭、体臭、脱毛の防止、育毛、除毛等の美容目的に使用されるものが該当します。「薬用〇〇」と書いてあるのは、この医薬部外品が該当する商品です。市販されているオーラルケア商品の半数はこの医薬部外品にあたります。

化粧品

化粧品はその名の通り、人の体を清潔にしたり美化したりするものです。ファンデーションなどの化粧品だけに限らず、洗顔料やシャンプー、保湿クリームやスカルプケア、リップクリームなどが含まれます。人体に対する作用が緩和なものと定義されています。市販されている多くのオーラルケア商品のうち、医薬部外品でないものがこの化粧品に分類されるものとなります。

爽快感だけを目的としたマウスウォッシュや、薬用成分が比較的緩やかな歯磨き粉などの場合は化粧品に該当します。

3.マウスウォッシュの種類

マウスウォッシュは目的別に、様々な種類があります。簡単にご説明します。

口臭予防

口臭予防が目的のマウスウォッシュは最近新商品が多く発売されています。CMでも取り上げられているので、いくつか思いつく方もいるのではないでしょうか。口臭の原因菌を殺菌したり抑制したりする殺菌効果があるものと、口臭のもとを上から覆ってしまうマスキングタイプのものがあるようです。

虫歯予防

フッ素には、歯を虫歯から守る作用があります。そのため、虫歯予防のオーラルケア商品に含まれる成分となります。マウスウォッシュや液体歯磨きにも虫歯予防の成分として良く配合されています。市販されているものとしては医薬部外品か化粧品が多いですが、薬剤師のいる薬局でしか買えない医薬品の虫歯予防洗口液もあります。

歯周病予防

液体の流動性を生かして、隅々まで殺菌の除去ができるという液体オーラルケア商品もあります。お口の中にいる歯周病菌の殺菌ができるのはとてもうれしいことです。しかし、歯周病予防はできても、歯周病の進行抑制にはほとんど効果はありません。歯周病とは、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの中から、歯の骨を溶かしていく病気です。歯周ポケット奥底に潜む歯周病菌には酸素を嫌う細菌が多く、液体の成分もなかなか届きません。

トータルケア

口臭・虫歯・歯周病・知覚過敏など、それぞれのお口のトラブルをまとめてケアしようという商品もあります。歯はブラッシングで磨くけど、お口の内側の粘膜や舌は積極的にケアしていない、という方にはお勧めかもしれません。

4.マウスウォッシュで虫歯は治せません

丁寧なブラッシングに代わるものはありません。歯を1本1本丁寧に磨き、できるならデンタルフロスなどを使い、歯と歯の間もきれいに汚れを取ることが理想です。液体オーラルケア商品で虫歯を治すことはできません。お部屋のお掃除と同じで、液体洗剤を隅々までいきわたらせても汚れ自体がなくなったり、傷ついたところが補修されるわけではないのです。

液体性オーラルケア商品はあくまでもお口の中のお掃除補助や虫歯・歯周病予防機能に限られます。プラスアルファの助っ人としては、強力な口腔清掃の味方にはなりますが、主役にはなれません。

5.効果的にマウスウォッシュを使うには

液体オーラルケアのうち、液体歯磨きはブラッシングをする際の歯磨きの代わりとして使用するため、ブラッシング前に使用します。マウスウォッシュは、歯磨きができないときの代用や、気分のリフレッシュがしたい時、など様々な使い方がありますが、一番効果的な使用方法は、ブラッシング後です。

ブラッシング後の除菌・予防

ブラッシング ⇒ デンタルフロス ⇒ マウスウォッシュの使用

丁寧なブラッシングで物理的な汚れをしっかり取った後に、お口の中にマウスウォッシュの成分を浸透させることが一番効果的です。特に、夜の就寝前に歯を磨いた後がお勧めです。寝ている間は、お口の中が乾燥するので、お口の中の細菌はどんどん増えてしまいます。就寝前に、水分をよく取ることに加えて、歯磨き後のマウスウォッシュでお口の潤いを与えることができます。

マウスウォッシュは、丁寧な口腔ケアを目指す方に、便利なプラスアルファのアイテムとして、効果的に虫歯や歯周病予防ができます。既にかかっている虫歯や歯周病を治すことはできませんが、これからしっかり予防をしていきたい方には、お勧めです。

プラザ若葉歯科では、歯科医院しか取り扱うことのできないマウスウォッシュなども販売しております。また、効果的な口腔ケアの方法の相談なども行っていますので、遠慮なくご相談ください。