赤ちゃんの虫歯感染予防

突然ですが、赤ちゃんの笑顔は世界を救うと思いませんか。私もこの度、一児の母となり毎日追いかけっこをして遊んでいます。可愛い瞬間を記録に収めようと、毎日撮影した結果、スマホのカメラロールがあっという間に容量オーバーになってしまいました。 歯のない赤ちゃんも、小さい歯が生え始めた赤ちゃんもどちらもかわいいですよね。そんなかわいらしい笑顔と、白く小さな赤ちゃんの歯を虫歯から守るための基本について、復習したいと思います。目指せ、ミュータンス菌の活躍できない虫歯のないお口!

虫歯のできる3要素

まずは、虫歯のできやすい環境についての復習をします。虫歯ができる大前提として以下の3要素があります。

虫歯のできる3要素

これらが1つでも欠けると、虫歯はできません。やったー!そして、歯の無いところにミュータンス菌は存在できません。だからこそ、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる間や生まれたばかりの赤ちゃんの口には、虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌)はいないのです。

歯をなくすことはできないし、食べ物を食べないで生活することもできないので、私たちにできる最初の大きな予防策は、虫歯菌をお口の中に入れないこととなります。

子供に虫歯菌を感染させない

 菌がいなければ、どんなにお口の中が汚れていても虫歯にはなりません。大人のお口の中に住んでいるミュータンス菌が、やわらかくておいしい白い歯を求めて、子供の口の中へ移住してくることで、虫歯ができる環境が整っていくのです。ある研究では、出産後にお父さんやお母さんからの口移しやスキンシップにより、約70%の確率で赤ちゃんに虫歯菌を感染させてしまうとも言われています。

 ちなみに、アメリカでベビーシッターに育てられた子供は、そうでない子供と比べて虫歯の数が少ないという面白い調査報告もあるそうです。ベビーシッターは子供に「キス」をしたり親の食べ残りを食べたり、食器を共有したりということが少ないことが、大きな要因のようです。唾液の中に含まれる虫歯菌が、食べ物や使用後のカトラリーを介して、子供の口に感染する機会も少なくなるからだと考えられています。

ベビーシッターと食事をする赤ちゃん

 つまり、子供の虫歯を防ぐためには、お口同士のキスはしないほうが良いのです。今は、自治体の健診や市役所などから配布されるパンフレットや案内にも、どのようにしたら子供に感染するミュータンス菌を減らせるのかなど紹介がされていました。こちらでも、大人から子供へのミュータンス菌の感染を減らす方法をいくつか紹介します。

大人から子供へミュータンス菌を感染させないために

  • 口同士でのキスはしない。
  • コップや箸など食器の使いまわしをしない。
  • 親の食べかけのものをあげない。
  • 親が噛んで柔らかくしたものをあげない(絶対ダメ―!)
  • 熱いものを食べる際に大人がフーフーして冷やさない。(うちわなどで仰いであげましょう)

 私自身も子育てを始め、気を付けている毎日です。そして、これらを完全にやらずに、生活することは無理だと実感している真っただ中です。ハグをしたときに口と口が当たったり、少し目を離したすきに、親のコップを持ってゴクゴク飲んでいたりして、何度も「あちゃー」な瞬間がありました。これらのスキンシップを全く行わないということはとても大変ですし、完全にやり遂げることはできないな、と毎日肌で実感しております。(努力はしています)

スキンシップをする赤ちゃんと母親

赤ちゃんの食事とお口のケア

~生後5・6ヵ月

 新生児の赤ちゃんにとって主な食事は、母乳や粉ミルクになります。歯が生えてくる前の赤ちゃんのお口の中は、唾液がたくさん。この時期の赤ちゃんのよだれは1日に1.5リットルも出ると言われています。このよだれはいつもお口をお掃除して虫歯を予防してくれていますので、歯が生えてくるまでは、赤ちゃんのお口のお掃除は必須ではありません。

5・6か月~

 5・6か月以降は、少しずつ乳歯が生え始めてきます。それに合わせて、離乳食も始まると思います。間食も少ないので唾液の自浄作用でお口の中を清潔に保てます。その時期は、ガーゼや歯ブラシを口に入れることを慣れさせる時期になります。歯磨き習慣を身に着ける準備として、少しずつ初めていけたらよいですね。

 離乳食の量も増え、生えてる歯の本数も増えてきたら、赤ちゃん用の歯ブラシを使い、歯磨きをしていきましょう。自分で歯ブラシを持てるようになったら、自分磨きをさせてあげて、必ず仕上げ磨きをしてあげましょう。1歳4か月のわが子は、なぜか父親の仕上げ磨きは大好きなのに、母の仕上げ磨きは嫌いだそうです。謎です。

1歳半以降

 前歯が生えそろった1歳半以降、臼歯も少しずつ時間をかけて生えていきます。この、1歳半~3歳くらいまでが、歯科業界の中で「感染の窓」と言われている時期になります。

 毎日のお口のケアに加え、乳幼児期からかかりつけ歯科医に定期的に受診しながら、お口の健康を保てるといいですね。

 各自治体でやっている乳幼児健康診査に歯科もふくまれているので、ぜひ忘れずに受診して赤ちゃんのお口の健康を守っていきましょう!1歳半検診をきっかけに、かかりつけの歯医者さんを見つけてもよいかもしれません。

小児歯科検診

 プラザ若葉歯科では、赤ちゃん検診は、椅子に座る練習から!お子さんの可愛い白い歯を一緒に守るお手伝いします。いつでもご相談お待ちしております。