学校の歯科健診のCって?虫歯の進行段階と治療法について

虫歯

人生は虫歯菌との戦いです。歯磨きのように小さな簡単なことを毎日丁寧にできている人は、毎日を丁寧に生きている目安にもなるのでしょうか。虫歯菌は音もなくやってきて、私たちの大切な歯を侵食していきます。

私たちがどれだけお口の健康の維持ができるかどうかが、人生を最後まで楽しくできるかがかかっているといっても過言ではありません。今日はその基本中の基本、虫歯の進行度と治療法についてお話します。

1.虫歯の記号

小学校の時の歯科健診で歯の中を大きく開けて見せた時に、「1,2,3番シーゼロ、4番シワン」など歯医者さんが言っていたのを覚えているでしょうか。全然わからない人にとっては、暗号のように聞こえるあの言葉は、歯の状態を表す専門用語になっています。

C(むし歯):「C」は虫歯の状態を示すもので、虫歯を表す英語Caries〈カリエス〉の頭文字をとっています。

O(観察 ):「C」の後に続くOは、観察を表す英語Observation〈オブザベーション〉の頭文字です。

虫歯の進行具合はCと数字の組み合わせで表現します。

2.虫歯の進行段階と治療内容

1.CO 初期段階

1つ1つの歯をよく見ないとわからない程度の、虫歯のなり始めの状態がCOです。COは、歯の表面のエナメル質が少しだけ溶けている状態ですが、まだ修復可能であることを指します。よく見ると白く濁っていたり、かみ合わせの溝の部分が茶色くなったりという状態が確認できるのを指します。ここは攻撃してもいいのかな?と虫歯菌は様子を見ているだけで、本領発揮はしていません。

 <治療内容>

ただの着色なのか、むし歯の初期段階なのかの判断が難しいので、専用の機械で検査をします。昔は触診で患部の柔らかさなどを計測していましたが、現在はレーザーを当てて計測することが多いです。レーザーを反射する光を観測し、歯質の変化を数値に表して教えてくれる機械を使うため、計測するときは痛みもないし、歯の表面を傷つけることもありません。

この段階では、修復できるので、歯質を強くするフッ素の塗布などを行い、再石灰化を促すという処置をします。

2.C1

エナメル質が虫歯に侵されて、黒い穴が開いてきている状態を指します。穴が開いたり、黒い部分が深くなったりしてしまうC1では、再石灰化が難しくなってしまいます。そして、進行も止められなくなってしまいます。虫歯菌は、攻撃ポイントを見つけ集中して攻撃を仕掛けている途中です。まだ当人には気づかれていないため、ゆっくりと進行しているイメージです。  エナメル質には神経は入っていないので、そのままでも痛みは感じません。痛みを感じないため、この状態では自分で虫歯を発見するのはなかなか難しいかもしれません。

<治療内容>

治療方法は、虫歯の部分だけを削って、歯によく似た白色のレジンか銀の詰め物をするというものです。回数も1~2回で治療が完了できます。

エナメル質内だけの治療の場合は、治療時もほとんど痛みを感じないことが多いです。

3.C2

歯の表面からさらに虫歯が進行した状態で、エナメル質の下にある象牙質にまで到達してしまった状態を指します。食べ物を食べたり飲んだりするときに、凍みるようになるので、自覚症状の出始めはこの状態であることが多いです。

エナメル質は表面にあり歯の中で一番固い素材なのですが、その下にある象牙質は少しやわらかい素材です。虫歯菌は本領発揮、象牙質が柔らかいのをいいことに、虫歯の進行のスピードがさらに速くなっていきます。象牙質は、血液や神経が通って歯に栄養を与えている大切な部分なので、ここまで虫歯の進行が進むと痛みや凍みも感じるようになります。

冷たいものだけでなく、熱いものも凍みてしまいます。まれに甘いものでも凍みるようになってしまうそうです。アイスクリームなんて冷たくて甘いのでC2のむし歯保持者にとっては強敵です。

<治療内容>

虫歯の部分をきれいにした後で、神経を保護するお薬を詰めます。その後、虫歯の箇所にお薬を詰めて、表面に詰め物をします。

レジンを充填するか型取りを行ってからつけるインレーと呼ばれる詰め物を詰める治療を行います。

4.C3

虫歯が完全に歯の神経まで到達してしまった状態で、激しい痛みを伴うようになります。C2では、飲食時に凍みる程度のものだったのが、何もしなくてもズキズキ痛んでくるようになってしまうのが、C3の状態です。それまでは我慢できていたかもしれませんが、痛みに耐えられなくなって急いで歯医者さんに行くという方も時々いらっしゃいます。

<治療内容>

神経まで虫歯が到達してしまった場合は、麻酔をして神経を取り除く治療を行います。神経を取り除いた後は、虫歯によって空いた穴と歯の内側、根っこまでの中を洗浄し消毒を行います。歯の根の中が完全に綺麗になったら、そこから化膿したり炎症を起こしたりしないようにお薬を詰めて土台を作ります。その上にレジンやセラミックなどの歯冠をつけます。

5.C4

ここまで行くと、虫歯菌の完全勝利と言っても過言ではありません。C3の状態からさらに虫歯の状態が悪化し、歯茎の上に見えている歯の部分もほとんど形がなくなってしまう状態を指します。C3のような激しい痛みは治まります。虫歯の痛みを我慢しすぎた結果、痛くなくなったとか痛みが治まったという声を時々聞きますが、それは手遅れのサインかもしれません!痛くなくなったことは、虫歯菌が死滅したことを意味するわけではありません。

<治療内容>

残った根を抜歯して、入れ歯やインプラントなどの治療で噛む機能を回復させる必要があります。

C4の段階を超えると、膿が血液の中に入り全身を巡り発熱を引き起こしてしまいます。このような状態になる前に早めの治療が肝心です。

3. 歯磨きを見直そう

虫歯の予防はやはり毎日の歯みがきが大切です。

私たちは自分では気が付かない癖をたくさん持っていますよね。歯磨きの方法も同じです。人によってそれぞれ違いますが、利き手側のブラッシングがおろそかになったり、奥歯のうち内側は磨くのを忘れてしまったり、歯の間のフロスは後回しにしたりしてしまいます。その磨き残す部分をターゲットに、虫歯菌は活躍し始めるのです。

自分では気が付かない部分に気が付くために、気になっていた虫歯の治療を再開するために、歯医者さんに足を運んでみませんか?ブラッシングでの癖や、まだまだ修復可能なCOなどの発見もできるかもしれません。 一度虫歯になると歯は、自然に元通りの状態に戻ることはありません。神経が虫歯によってやられてしまうと、虫歯菌の完全勝利になってしまいます。自分の歯を守り、虫歯菌との戦いに永遠に勝ち続けることができるように、プラザ若葉歯科は全力で応援します!もちろん、歯周病菌との戦いのサポートもお任せください。